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専門委員会成果物
PTABの自明性の判断を支持すると共に「実質的な利害関係者の特定」に関する特許庁長官の決定は上訴不可であると判断した事例
CAFC判決 2020年５月19日ESIP Series 2, LLC v. Puzhen Life USA, LLC
［経緯］
ESIP Series 2, LLC（Ｅ社）は，殺菌保護，空気の浄化，芳香拡散を組み合わせたシステムに関する特許9,415,130（’130特許）を保有している。
Puzhen Life USA, LLC（Ｐ社）は’130特許に対し，特許請求の範囲が自明であるとしてIPRの請願を行った。PTABはＰ社の主張を認め，’130特許の特許請求の範囲は自明であると判断した。対して，Ｅ社は，Ｐ社が全ての実質的な利害関係者（real parties in interest（RPI））を特定できず，IPRの請求要件を満たしていないと，主張した。一方，Ｐ社が特定できなかったとＥ社が主張するdoTERRA International, LLCとPuzhen Life Co., Ltd.は，特許法312条（a）（2）の意味におけるRPIではないと，PTABは判断した。そして，PTABはＰ社のIPRの請願は妨げられるものではないと決定した。
Ｅ社はPTABの決定を不服としCAFCに上訴した。
また，Ｅ社が主張する自明性の決定に関するPTABによる４つの事実認定（� �separating”に関するクレームの構成要素は特許7,878,418（’418特許）が教示している。��気流から大きな液滴を分離する“vortex”に関するクレームの構成要素は特許8,001,963（’963特許）が開示している。�Ｅ�業者であれば’418特許における“aperture”の構成要素を特許4,243,396における“the arcuate passageway”に置き換える動機づけがある。�づ�業者であれば’418特許と’963特許を結びつける動機づけがある）に対し，PTABによる自明性の判断は，Ｐ社の専門家の証言と，実質的な証拠である上記４つの先行例によって裏付けられているとし，CAFCはPTABの判断を支持した。
また，Ｐ社がIPRの請求要件を満たしていないとするＥ社の主張に対して，CAFCは最高裁判決を引用した上で以下のように判断している。�‘探�法312条（a）（3）のIPRの請求要件は，PTABによるIPRの開始決定に密接に結びつく問題にあたることが明らかであるため，上訴して争うことは認められない（Cuozzo Speed Technologies, LLC v. Lee, 136 S. Ct. 2131（2016））。��特許法315条（b）のIPRの請求期限に関するPTABの判決は上訴できない（Thryv, Inc v. Click-to-Call Techs, 140 S. Ct. 1367（2020））。
Puzhen Life USA, LLC（Ｐ社）は’130特許に対し，特許請求の範囲が自明であるとしてIPRの請願を行った。PTABはＰ社の主張を認め，’130特許の特許請求の範囲は自明であると判断した。対して，Ｅ社は，Ｐ社が全ての実質的な利害関係者（real parties in interest（RPI））を特定できず，IPRの請求要件を満たしていないと，主張した。一方，Ｐ社が特定できなかったとＥ社が主張するdoTERRA International, LLCとPuzhen Life Co., Ltd.は，特許法312条（a）（2）の意味におけるRPIではないと，PTABは判断した。そして，PTABはＰ社のIPRの請願は妨げられるものではないと決定した。
Ｅ社はPTABの決定を不服としCAFCに上訴した。
［CAFCの判断］
CAFCはPTABの特許請求の範囲が自明であるとの判断を支持すると共に，IPRの請求要件である特許法312条（a）（2）で規定されるRPIの特定に関するPTABの決定は上訴不可であると判断した。また，Ｅ社が主張する自明性の決定に関するPTABによる４つの事実認定（� �separating”に関するクレームの構成要素は特許7,878,418（’418特許）が教示している。��気流から大きな液滴を分離する“vortex”に関するクレームの構成要素は特許8,001,963（’963特許）が開示している。�Ｅ�業者であれば’418特許における“aperture”の構成要素を特許4,243,396における“the arcuate passageway”に置き換える動機づけがある。�づ�業者であれば’418特許と’963特許を結びつける動機づけがある）に対し，PTABによる自明性の判断は，Ｐ社の専門家の証言と，実質的な証拠である上記４つの先行例によって裏付けられているとし，CAFCはPTABの判断を支持した。
また，Ｐ社がIPRの請求要件を満たしていないとするＥ社の主張に対して，CAFCは最高裁判決を引用した上で以下のように判断している。�‘探�法312条（a）（3）のIPRの請求要件は，PTABによるIPRの開始決定に密接に結びつく問題にあたることが明らかであるため，上訴して争うことは認められない（Cuozzo Speed Technologies, LLC v. Lee, 136 S. Ct. 2131（2016））。��特許法315条（b）のIPRの請求期限に関するPTABの判決は上訴できない（Thryv, Inc v. Click-to-Call Techs, 140 S. Ct. 1367（2020））。
（毛利 直人）
