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外国特許ニュース
南アジア編〜US Special 301条 監視国の状況
2020年４月29日，米国通商代表部（USTR）から，US Special301条の最新レポートが発行されました１）。今回は，「南アジア編」と題し，2020年度版 Special301条において取り上げられた，「インド」，「パキスタン」について，知財視点から，概要を纏めました。
【総括】
インド，パキスタンともに，知的財産の保護とエンフォースメント強化にむけた取り組みが評価されました。しかし，エンフォースメントを中心に，さらなる改善の余地があるとして，両国の警戒レベルは，インド，パキスタンの順に，「優先監視国」，「監視国」が，それぞれ維持されております。一方で，両国ともに，エンフォースメントを中心として，さらなる知的財産の保護強化にむけた取り組みが進められており，今後の動向が注目されます。
- インド
インドでは，この１年間，一部の地域で知的財産の保護とエンフォースメントを促進するためにWIPOのインターネット条約，およびニース協定の加盟・Form 27の改訂版の検討など有意義な進歩がありました。
しかし，医薬特許に関する公正な強制ライセンス権の執行に関する懸念や，組織的なエンフォースメント体制が不十分だとされ，「優先監視国」が維持されています。【米国からの主な指摘事項】
- �＾緻�品関連発明の取り扱い
医薬特許の公正な強制ライセンス権の執行に関する懸念が指摘されています。
また，従来，インド特有の不特許事由として，医薬・化学関連発明において，その解釈が争点となることが多い，インド特許法第３条（d）における「効能の増大（enlargement of known efficacy）」の扱いについて，依然として懸念が残ったままです。 - �¬亙鑄福γ�作権違反（海賊版）について
海賊版コンテンツを含むWebサイト上のエンフォースメント強化を評価する一方で，裁判所-警察，国家-州レベルの連携によるエンフォースメント体制の脆弱性や，商標権の取得に関する一連のスピード／審査の質について，懸念が指摘されています。 - �９餾歙�度との調和
商標手続きの国際的な制度調和と簡素化を目的とした，商標法に関するシンガポール条約への参加を，引き続き呼び掛けています。
- �＾緻�品関連発明の取り扱い
- パキスタン
パキスタンでは，2019年12月，パキスタン税関が，300万を超える模倣品を公開処分するイベントを開催，またパキスタンの知的所有機関が，知的財産に関して政府機関と調整を行うなどの努力を続け，知的財産の保護とエンフォースメント強化を促進している点，および知的財産の保護とエンフォースメント強化にむけた教育プログラムを実施している点などが評価されました。
しかし，知的財産のエンフォースメントについての懸念が残っているため，「監視国」が維持されています。【米国からの主な指摘事項】
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医薬品・印刷部・デジタルコンテンツ・ソフトウェア分野などでも模倣品・海賊版の販売は依然として広がっています。 - �▲┘鵐侫�ースメント体制のさらなる強化
パキスタンの知的財産法廷での裁判官の専門知識の不足について指摘されました。さらに，権利所有者の請求がない場合に刑事措置がとれる職権の権限がないため，商標のエンフォースメントが困難なことも問題視されています。
国際第４委員会では，引き続き，ASEANについてのSpecial301条関連ニュースをお届けする予定です。
- �〔亙鑄福γ�作権違反（海賊版）について
| 監視ランク | 優先監視国 | 監視国 |
| 国 | インド | パキスタン |
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| 前年度との比較 | 維持 | 維持 |
| 評価する点 |
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| 主な懸念点 （改善余地あり） |
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| 主な奨励点 |
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注 記
1） https://ustr.gov/sites/default/files/2020_Special_301_Report.pdf
（注）｢アジア・オセアニア特許情報｣は，最新とは言えない情報も含め，会員に有用と思われる情報を掲載しています。内容については正確を期したつもりですが，二次情報もあり， 必ずしも情報源への確認が充分と言えない場合があります。詳細については会員各位にてご確認下さい。
