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専門委員会成果物
英国政府,「合意なきEU離脱」となった場合の知的財産分野に関わるガイダンスを公表
9月24日,英国政府は「合意なきEU離脱」となった場合の知的財産分野(特許,商標・意匠,著作権,消尽)についてのガイダンスを公表した。
英国内の著作物に対する著作権の保護範囲については,EU離脱後大きく変わることはない。EUの国境を越えた著作権の仕組みについてはEUまたはEEA加盟国にのみに及び, EU離脱後はEU及びEEAによって第三国として扱われるため,この仕組みに相反する要素は英国にも適用されなくなる。
●特許
- 欧州特許
→EU離脱後も現行権利の保護,権利取得については影響なし。 - 欧州単一特許(UP)及び統一特許裁判所(UPC)
→UPC協定が発効されていない場合(シナリオ1),影響なし。
→UPC協定が発効された場合(シナリオ2),英国がUP及びUPCの枠組みに残る可能性を探る。
- 2019年3月29日時点で登録済みの権利
→最小限の費用負担が必要となるものの,EU離脱後も英国商標及び意匠と同等の新しい権利を付与することにより,引き続き英国内で保護される。 権利者には新しい権利が付与されたことが通知され,権利者がそれらの権利を望まない場合にはオプトアウトも可能である。 - 2019年3月29日時点で継続中の出願
→EUを離脱した日から9月以内は,EU出願日を優先権主張して英国への再出願が可能である。 - 非登録共同体意匠
→EU離脱後も残りの保護期間内は引き続き英国内で保護される。また非登録共同体意匠と同等の非登録意匠の権利(supplementary unregistered design right) を英国法に新設する予定。
英国内の著作物に対する著作権の保護範囲については,EU離脱後大きく変わることはない。EUの国境を越えた著作権の仕組みについてはEUまたはEEA加盟国にのみに及び, EU離脱後はEU及びEEAによって第三国として扱われるため,この仕組みに相反する要素は英国にも適用されなくなる。
●知的財産権の消尽
→EEAから英国内への並行輸入については,従来と同様に知的財産権の消尽が認められる(EEAでの知的財産権の消尽スキームを維持)。
→英国からEEA内への並行輸入については,国によっては知的財産権の消尽が認められない可能性がある。
英国政府(2018年9月24日)
−特許
https://www.gov.uk/government/publications/patents-if-theres-no-brexit-deal/patents-if-theres-no-brexit-deal
(参照日:2018年10月19日)
(米澤 雄志)
