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専門委員会成果物
特許適格性に疑義のある特許に基づく訴訟において，司法手続法1927条に基づく弁護士費用の裁定を否定した事例
CAFC判決 2018年９月28日Gust, Inc. v. AlphaCap Ventures, LLC, et al.
［経緯］
AlphaCap Ventures, LLC（Ａ社）は，Gutride Safier LLP（Gutride）を代理人として起用し，ネットワーク関連特許３件の侵害を理由に，Gust,
Inc.（Ｇ社）を 提訴した。地裁は，Alice最高裁判決に基づき，対象特許は特許法101条の特許適格性を欠き無効であるとして本訴訟を却下した。同地裁はさらに，Gutrideの訴訟行為は不当で
あるため，司法手続法1927条に基づき，Ｇ社に生じた弁護士費用はＡ社とGutrideが連帯して負担すべきと判断した。Gutrideは，この判決を不服として，CAFCに控訴した。
要件� �Alice最高裁判決から本訴訟の提訴日までの間にCAFCによって判決された特許法101条関連の事件の数が不足しており，また，その中のいくつかの事件 ではAlice最高裁判決の適用が不明確であった。本訴訟中に徐々に発展する特許法101条の法学的性質から，経済的制裁の恐れ無く法的ルールにチャレンジし， それを強固にするために必要な自由度を弁護士に与えることは特に重要である。よって，特許適格性有りとするGutrideのポジションは，外見上明らかに根拠を欠くものではない。
要件�◆�地裁は，GutrideがＧ社との和解交渉の場で「本件は訴訟をするに値しない」と述べたことをもって対象特許が無効であるとGutrideが認識していたと判断しているが， これは誤りである。この発言は，和解が望ましい旨を，Ｇ社側に不快感を与えない形で伝えたものであって，特許無効を認めたものではない。また，要件�，里箸�り， 特許適格性有りというポジションが外見上明らかに根拠を欠くという判断は誤りである。よって，Gutrideの行為が不誠実であることをサポートする根拠は無い。
［CAFCの判断］
CAFCは，司法手続法1927条に基づく裁定が認められるためには次の２要件の充足が必要であると示した：�（杆郢里旅坩戮�外見上明らかに根拠を欠くこと， ��同行為が不誠実にもたらされていること（すなわち，嫌がらせや遅延等の不適切な目的によって動機付けられていること）。その上で，CAFCは，以下のとおり要件 �´△禄実�しないとして，Gutrideに対する地裁の裁定を棄却した。要件� �Alice最高裁判決から本訴訟の提訴日までの間にCAFCによって判決された特許法101条関連の事件の数が不足しており，また，その中のいくつかの事件 ではAlice最高裁判決の適用が不明確であった。本訴訟中に徐々に発展する特許法101条の法学的性質から，経済的制裁の恐れ無く法的ルールにチャレンジし， それを強固にするために必要な自由度を弁護士に与えることは特に重要である。よって，特許適格性有りとするGutrideのポジションは，外見上明らかに根拠を欠くものではない。
要件�◆�地裁は，GutrideがＧ社との和解交渉の場で「本件は訴訟をするに値しない」と述べたことをもって対象特許が無効であるとGutrideが認識していたと判断しているが， これは誤りである。この発言は，和解が望ましい旨を，Ｇ社側に不快感を与えない形で伝えたものであって，特許無効を認めたものではない。また，要件�，里箸�り， 特許適格性有りというポジションが外見上明らかに根拠を欠くという判断は誤りである。よって，Gutrideの行為が不誠実であることをサポートする根拠は無い。
（土江 健司）
