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中国・四国・九州地区協議会 広島会合報告

中四国・九州地区の会員による地域活動組織体として中国・四国・九州地区協議会が本年4月に発足し、記念すべき第1回会合として、9月20日(金)に広島会合を開催した。

なお、2010年度と2011年度は「西日本地域での特別講演会および意見交換会」、昨年度は「中国・四国・九州地区プレ協議会」を開催しており、実質的には5回目となる。今回の参加者はこれまでで最多の39社129名であった。

総務省の統計によると、中四国・九州地区の全従事者数は11百万人であり、全国56百万人の約20%を占める。その一方で、特許庁の統計によると、昨年度の日本人による特許出願件数は、中四国・九州地区からは11千件であり、全国29万件の4%弱を占めるに過ぎない(関東は17万件で60%、関西は6万件で20%)。中四国・九州地区の知財活動の活性化への貢献が本協議会の一つ目の目的である。

もう一つの大きな目的が地域の知的財産関連団体との連携であり、今回も昨年度のプレ協議会に続いて広島県発明協会と協同で開催した。

本会の第一部では、会員を代表して中国電力(株)味能部長(JIPA常務理事)の開会挨拶に始まり、久慈専務理事より、最新のトピックスとして、「職務発明の法人帰属」の検討状況や「営業秘密保護」に関する動向等が報告された。いずれも注目すべき話題であり、大変興味深い内容を紹介された。

その後、(株)戦略データベース研究所 鶴見所長(元旭化成(株)知的財産・技術情報センター長)より、「特許情報の戦略的活用による経営への貢献」について講演いただいた。特許情報調査・解析の重要性や研究テーマ単位、事業部単位での特許情報データベースの構築について、旭化成において1990年代後半から取り組まれた事例を交えて、分かりやすくお話しいただいた。参加者より、(1)研究開発における研究者および会社としての特許調査の重要性が非常によく理解できた、(2) 話が明快で理想的な講演であったなど、好評な感想が寄せられた。

本会の第二部は、恒例のグループディスカッションであり、会員間で本音の議論ができる貴重な機会として毎年好評である。

参加者を8テーマ(8グループ)に編成して、司会進行役の下で知財活動の各種課題について意見交換がなされた。今回も、熱心な議論により瞬く間に終了となった。参加者より、この意見交換をさらに深化させた有志企業間の情報交換会の開催の希望が寄せられた。

今後の本会の運営に関する参加者へのアンケートでは、イベントとして、複数パネラーによるディスカッションや工場・研究所の見学会の開催希望があった。特別講演のテーマとして、外国の制度や出願調査、知財部門と他部門との連携、経営への貢献など多様な希望があった。協議会に対しては、地方企業の知財担当者同士の結束、人脈を深める役割が期待されており、今後、これらの会員の要望を踏まえて本会を運営していきたい。なお、翌年2月13日(木)に福岡において九州会合を開催するため、多くの会員に参加していただきたい。
中国・四国・九州地区協議会 広島会合開催要領

1.日時:2013年9月20日(金) 13:10〜17:30

2.場所:中国電力株式会社 本社本館2階 大会議場

3.議題:
     1)開会挨拶
     味能 弘之 氏(中国電力(株)執行役員エネルギア総合研究所知財部長、JIPA常務理事)
     2)知財を巡る最新トピックス紹介
     協会代表:久慈専務理事
     3)特別講演(14:00〜15:30)
     テーマ:「特許情報の戦略的活用による経営への貢献」
     講演者:鶴見 隆 氏(株式会社戦略データベース研究所 所長)

・・・・・休憩(10分)・・・・・
     
     4)意見交換(15:40〜17:30)
     参加者によるグループディスカッション

※テーマ
T1 経営・事業・R&Dにおける知財活動の効果/影響/重要性をどうアピールすべきか
T2 知財業務の効率化、ITの活用により知財担当者のパフォーマンスを如何に高めるか
T3 事業競争に活かせる発明の発掘から権利化までの課題とその解決策は
T4 発明増進に向けて技術部門と知財部門との連携・役割はどうあるべきか
T5 特許情報の効率的な調査分析手法とその成果を経営・技術開発に活かすには
T6 グローバルビジネスに資する外国出願の考え方
T7 ブランド保護や価値の向上に新しいタイプの商標はどのように寄与するか
T8 知財担当者の実務スキルを高めるための育成プログラムのあり方

4.懇親会(17:40〜19:30)
希望者のみ

[Update 2013-10-23 ]