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第15回JIPA知財シンポジウム 開催報告
2016/2/17、東京国際フォーラムにて「市場創生と知財戦略〜多様な知財でチャンスをつかめ！〜」と題して、第15回JIPA知財シンポジウムを開催しました。本年は約950名の知財関係者を集め、2つの基調講演と2つのパネルディスカッションを行いました。
JPO伊藤長官のご挨拶の後、基調講演Iの部では、ガリWIPO事務局長より「市場創生型イノベーションと知的財産」について、「市場創生型イノベーションの為には、IPがイノベーションの障害とならないように、アクセス、開示、報酬のバランスが取れたIPポリシーが必要であり、国際化は勿論のこと、市場の速い変化に対応できる知財システムがなければならない」とのお話がありました。
また基調講演IIでは、経産省の井上産業技術環境局長より「日本の標準化戦略」についてご講演頂き、標準化のグローバル動向、標準化を取り入れ成功した事例や政府のサポート体制について紹介頂くと共に、「IoTなどのシステムの標準化の為には異業種間の活動が重要であるが日本はそこが弱いので今後に期待されている」とのお話がありました。
また午後のパネルディスカッションIでは、「市場創生に向けた多様な知財活用のあり方」と題して、武田氏(中央大学)のコーディネートの下、現在進行中の知財活動に着目し、白橋氏(iPSアカデミアジャパン)より、「iPS細胞技術の知財戦略」、山田氏(東洋大学)より、「自立生活支援サービスの国際標準化と知財戦略」、近藤氏(トヨタ自動車)より、「トヨタの水素社会に向けた知財活動」、��田氏(パナソニック)より、「地域主導型事業に対応した知財活動」、について、各社の事例をご紹介頂きました。
パネラー間のディスカッションを通じて、トップに立てば先が見えないことが当たり前の中で、「自らの考察と実践、PDCAを回しながら先へ進むべきではないか」というメッセージ等、社会の変化に対応していくためには知財部門の意識改革と、対応できる人材の育成の重要さについて議論されました。
パネルディスカッションIIでは、「市場創生の成功事例にみる知財戦略」と題して、 竹本JIPA参与(サントリーホールディングス)のコーディネートの下、新市場を創生した事例として、成尾氏(熊本県庁)より、「くまモンのロイヤリティフリー戦略」、渡邊氏(楽天)より、「ビジネスモデルと市場創生における知財の役割」、原氏(デンソーウェーブ)より、「QRコード®における市場創生」、地曳氏(ユニ・チャーム)より、「ユニ・チャームの知財マネージメントの考え方」について、くまモンの飛び入り参加のハプニングの中で各社の事例をご紹介頂きました。
パネラー間のディスカッションでは、成功要因には社会の変化をとらえてタイムリーに価値提供しどれも今なお進化を続けていること、技術やブランド、または、お客様を守るために知財を様々な形で利用していること等が議論されました。最後に、知財マネジメントが成功に必須であるというメッセージで締めくくられました。
またポスターセッションでは、専門委員会への委員派遣を検討している企業や委員OBとの交流場としてにぎやかな場となりました。恒例のベストポスター賞では、1位ライセンス第一第二委員会、2位に商標委員会、3位は著作権委員会とマネージメント委員会となり、会長賞には、情報システム委員会が選ばれました。
なお、本シンポジウムの詳細は、別冊資料（6月発行）にて報告を予定しています。
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[Update 2016-03-08 ]
