「知財管理」誌
Vol.72 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 72巻(2022年) / 1号 / 5頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 国際標準と知財戦略との新たな統合モデル─ISO56005標準化過程から見える中国の戦略─ |
著者 | 二又俊文/高田元樹/松本 要 |
抄録 | 標準化や知財戦略は激動の時代に変容を迫られている。かつてのような標準化活動と知財戦略を別々に行う活動は時代遅れになったが、どのように標準・知財戦略を組み立てるかはなかなか難題である。しかし、興味深い事例が中国にあった。かつて中国は標準化や知財戦略で後進国と見られたが、今や先進的な標準と知財の統合モデルを提案できるだけの実力を備えている。その変化のプロセスを国際標準規格(ISO56005)の制定過程から検証する。2020年ISO発行のISO56005はイノベーションマネジメントにおける知財マネジメントのツールと方法で、いわばイノベーションマネジメントのコア部分を標準化したものである。 同規格は標準化過程で各国専門家の知見が凝縮され有益なドキュメントとなっている。だがその標準化の過程と意義は外部には見えづらい。本稿では標準化に内在するパワーを知悉し標準化戦略と知財戦略の統合モデル実現をめざす中国のしたたかな戦略を見る。 |
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