「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 8号 / 1071頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 実用新案権の係争時の有用性に関する考察 |
著者 | 下村裕昭 |
抄録 | 技術アイデアについて知的財産権としての保護を図るために、特許制度とともに実用新案登録制度が用意されている。実用新案法では考案の進歩性の基準について「きわめて容易」と規定されており、もし実用新案制度下での進歩性ハードルが特許制度下での進歩性ハードルよりも低いのであれば、実用新案権は特許権よりも無効になり難いことになる。その場合、実用新案権は特許権よりも係争時に有利となり、実用新案権は価値が低いと思われがちな風潮がひっくり返ることになる。そこで本稿では、判例等を通じて実用新案制度下での進歩性ハードルを検証することで、我が国における実用新案権の無効耐性の実態を紹介する。そして、検証結果及びその他を踏まえて実用新案権の係争時の有用性を総合的に考察するとともに、実用新案登録出願を活用した場合に特有の利便性を考察し、実用新案登録出願の利用価値を明確化する。 |
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