「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 6号 / 765頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | テレワーク環境における知財実務上の留意点とその対策 |
著者 | 平井佑希 |
抄録 | コロナ禍でテレワークが急速に普及した。オフィス以外の場所で業務を行うことができるようになったことで、資料やデータなどの情報の取り扱い方が変化したが、情報財を保護する知的財産法は、その影響を最も受ける法分野の1つである。 オフィス以外の場所で情報を活用するために、資料の複製や送信を行う機会も増えるが、その際には著作権法の観点からの注意が必要となる。また、テレワークの際に誤って開発中の製品情報などが漏洩するようなことがあれば、ライバル企業との競争力が低下するのはもちろん、特許や意匠出願に際して新規性が失われるリスクがある。また不正競争防止法に基づく営業秘密の保護の要件としては、その情報が公知ではないことや、有用な情報であることに加えて、その情報が秘密として管理されていることが要求されている。情報の扱い方が変わることによって、この秘密管理性が失われたり、形骸化してしまう可能性がある。 本稿ではテレワーク環境における留意点について、特に知的財産法の観点から、整理して説明する。 |
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