「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 3号 / 398頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 515) |
論文名 | (No. 515) 均等侵害及び推定覆滅を認めた事例 |
著者 | 岩坪 哲 |
抄録 | 本件は、最高裁が示した均等5要件に沿って均等侵害を認めると共に、特許法102条2項に基づく損害賠償請求について、原告の製品と被告製品の価格帯の差異を理由に5割の推定覆滅を認めた事例である。均等侵害を認めたロジックは最高裁等が確立した規範を忠実に当てはめたものであり、推定覆滅に関しては知財高裁大合議判決に基づくものと認められ、単体の判決としてみた場合、本判決は格別特異なものではない。しかし、本件特許権者は同時期、別の特許権侵害を巡り大阪地裁でも同一侵害対象物件について侵害訴訟を行っており、本件は、かかる権利行使手法に基づく訴訟戦略の理論上の問題点やメリット・デメリットを考察するうえでの格好の素材を提供するものと考えられる。 |
本文PDF |