「知財管理」誌

Vol.71 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 71巻(2021年) / 2号 / 280頁
論文区分 海外注目判決(No. 56)
論文名 (No. 56) [台湾]自動車部品の意匠侵害について, 差止め及び損害賠償が認められた事例
著者 朱百強/施穎弘/莊敬文/李昆晃
抄録  本判決は、自動車製造業者がサードパーティー部品業者に対して提起した意匠権侵害訴訟に関するものであり、意匠権の侵害、意匠の有効性、競争法違反(意匠権の行使が競争法違反になる場合)、及び損害賠償の計算等複数の争点について判断がなされた。そのうち特に注目に値するのは、競争法に関する被告の反論に対する本判決の判断である。本判決では、台湾の裁判所が初めて、自動車市場(メインマーケット)とアフターマーケットが同一市場であるか否か、及び外国立法者に対する約束への違反が公平性を著しく欠く行為となるか否かについて判断した。一方で、損害賠償の計算については、本判決は原告に有利な見解を採用し、被告に原価及び費用の立証責任を認め、また法令に従い売上高を上回る懲罰的損害賠償金を認めた。被告は控訴しており、控訴審裁判所が本判決と同一の見解を採るか否か、今後注目される。
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