「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 2号 / 181頁 |
| 論文区分 | 論説 |
| 論文名 | 動画画像圧縮技術の標準特許とライセンス |
| 著者 | 日野英一郎 |
| 抄録 | 動画画像圧縮技術の標準特許に関するライセンスの分野では、MPEG2パテントプールの成功以降、パテントプールが利用されてきた。しかしながら、PEG2の後継規格であるHEVCではパテントプールが乱立する等の弊害が生じており、ライセンスが必ずしも適切に進んでいない。このような問題を解消すべく新たな動画画像圧縮技術であるAV1が開発され、これをロイヤリティーフリーで展開することが試みられているが、この動きに対抗して、近時AV1に対するパテントプールが形成されるという事態が生じており、AV1も特許問題を解消できてはいない。パテントプールの形成について混乱が生じているのは動画画像圧縮技術の分野に限られず、現在パテントプールが適切に機能しているとは言い難い。標準特許に関するライセンス交渉を促進するために様々な試みがなされているが、現時点で決定打になるようなものはなく、動画画像圧縮技術の標準特許に関わる企業は困難な事態に直面している。 |
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