「知財管理」誌
Vol.71 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 2号 / 167頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | バーチャルリアリティ その他人間の能力等を拡張する技術と著作権 |
著者 | 関 真也 |
抄録 | コロナ禍の影響でテレワーク化及びデジタル・トランスフォーメーションが急速に進むなか、バーチャルリアリティ(VR)を活用する動きが一段と脚光を浴びている。これまでVRは視覚及び聴覚に訴えるものが多かったが、最近では触覚、味覚及び嗅覚に訴求する技術の開発・実用化が目覚ましい。五感に作用するVR環境を実現することにより、バーチャル表現の幅が広がることはもちろん、テレイグジスタンスやリアルハプティクスなどの技術に展開することにより、遠隔地にあるロボットなどを通じて人間が行うのと同様に優しく柔軟な動作を再現し、医療行為等の繊細な作業を要するものを含めてあらゆる作業を遠隔で行うことも可能となる。人間の知覚、能力等を拡張する技術の発達に伴い、これを後押しするために、知的財産をはじめとする法律上の問題点を分析することが急務である。本稿は、こうした技術により新たに生ずるであろう著作権等に関するいくつかの課題につき、米国をはじめとする海外の議論を参考にしつつ、基礎的な考察を試みるものである。 |
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