「知財管理」誌

Vol.69 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 69巻(2019年) / 9号 / 1286頁
論文区分 資料
論文名 特許紛争における多様な紛争解決制度の見方─中国特許紛争の増加を背景として─
著者 古谷真帆
抄録  特許紛争を解決する方式は交渉、調停、仲裁から訴訟まで多様であり、各国でいずれの手続が発展しているかも一様ではない。本稿は、中国における特許訴訟の増加や仲裁等の裁判外紛争手続(以下、ADRとする。)の近時の動向を中心に、米国や欧州の域内の紛争解決の動向、また、国境を越える紛争及び国際機関における紛争解決について可能な限り統計的な数字を参照しつつ全体の動向を鳥瞰するものである。日本企業がいずれの地で特許訴訟を提起するか、また、提訴されるかは、各社の知財戦略に基づく判断及びその結果であるところ、特許の捉え方、訴訟の捉え方をはじめ、各国に固有な事情や近時の状況を踏まえる必要がある。また、中国の動向について、他国での常識とされている前提が通用しないことも考えられ、固定観念にとらわれず、現状をみることが重要で、その上で紛争解決の国際的な戦略を立てていくことが求められる。
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