「知財管理」誌

Vol.69 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 69巻(2019年) / 8号 / 1160頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 496)
論文名 (No. 496) 明細書に開示のない事項に係る補正の新規事項の該当性─染毛剤,その使用方法及び染毛剤用品事件─
著者 光吉利之
抄録  本判決は、明細書に具体的に開示されていない、乳化試験機の付属品である撹拌羽根の寸法を追加する補正について、拒絶査定不服審判における審決では新規事項であると判断されて請求不成立とされたが、知財高裁では、当該補正が新規事項に該当するとした審決を取り消した事例である。
 明細書に記載されていない事項を、請求項に記載する補正は、基本的には新規事項の追加に当たると考えられる。この判決では、補正事項に係る撹拌羽根の形状、寸法は、実験用の機械の付属品として変更が加えられたことは一度もないこと等が考慮されて、当該補正事項は新たな技術的事項を導入するものではないと認定されて、新規事項の追加に当たらないことが示された。
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