「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 7号 / 949頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 484) |
論文名 | (No. 484) 承認基準で別物として扱われる医薬の態様を兼用した組成物発明の進歩性─眼科用組成物事件─ |
著者 | 神谷惠理子 |
抄録 | 本件は、承認基準で区別して分類されている2種の一般用医薬品、いわゆるコンタクトレンズ装着液とコンタクトレンズ装用中の点眼液の両方の態様に用いられることを特定事項とした組成物発明(装着点眼液)の進歩性が争われた事件である。この2種の医薬品の兼用は周知(本件周知技術)であると認定し、組成が一致している引用発明に当該周知技術を適用することによって、本願発明は容易に想到できると裁判所は判断した。承認基準の配合ルールにおいてコンタクトレンズ装着液とコンタクトレンズ装用中の点眼液とは、配合可能成分及び配合不可成分が一致しているという技術常識が存在する。この技術常識に基づき、本願発明、引用発明のいずれとも異なる組成の眼科用組成物についてそれらの兼用が可能である旨の記載がある複数の刊行物が、本件周知技術として適用された。本稿ではこの点に着目し、本件周知技術に基づく容易想到性判断の論理構成について検討した。 |
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