「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 4号 / 490頁 |
論文区分 | 特集(知財のターニングポイント) |
論文名 | 欧州における知的財産法の最近の動向 |
著者 | 松澤美恵子/ディルク・シュスラー=ランゲハイネ |
抄録 | 欧州の知的財産を取り巻く情勢に、最近注目を要する動きが見られる。2017年には開始される予定であった単一効特許および統一裁判所の運用に対して、イギリスやドイツで思いもよらない事態が起こった。ブレグジットとドイツ憲法違反の提訴である。これらの先行きが不透明な状況の一方で、欧州特許庁においては、その体制と実務に変化が起きつつある。またイギリスとドイツの最高裁判所では、均等論に基づく特許権侵害の判断が示された。さらにFRANDライセンス、医薬品への強制実施権、第二医薬用途の特許についても新たな判決が出されている。本稿は、欧州特許庁とドイツ裁判所での事例を中心に、欧州連合商標、登録共同体意匠やドイツ不正競争防止法による保護を含む、知的財産権にまつわる欧州での最近の動向を紹介する。企業活動のグローバル化の一環として、欧州における知財活動あるいは事業戦略を推進する日本企業にとって、有益な情報を提供することが本稿の目的である。 |
本文PDF |