「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 4号 / 430頁 |
論文区分 | 特集(知財のターニングポイント) |
論文名 | 今後の日本の知財政策を考える |
著者 | 高倉成男 |
抄録 | 今後の知財政策の主な課題は、グローバル化・デジタル化・価値多元化への対応である。具体的には、第1に、国際協調主義の下、AI翻訳を組み込んだ「グローバル特許システム」の実現を追求すること、第2に、政策形成のPDCAサイクルを徹底し、「データの時代」にふさわしい知財法制を段階的に整備していくこと、第3に、価値多元化社会への対応のために、知財政策の目標を高次化し、多様な「非経済的価値」(公衆衛生、表現の自由など)も考慮に入れた均衡ある知財政策を形成することなどが必要である。知財法制の最前線が「国内から世界へ」、「物からデータへ」、「経済から非経済へ」と広がるにつれ、法改正の効果の予測やステークホルダー間の利害の事前調整がますます難しくなり、そのため事後の検証による修復的見直しと裁判を通じた法形成の役割が重要性を増していくと思われる。 |
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