「知財管理」誌
Vol.68 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 68巻(2018年) / 10号 / 1370頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | M&A・協業による技術獲得に対する知財活動からの貢献の可能性についての考察 |
著者 | 吉岡( 小林) 徹 |
抄録 | M&Aと技術提携による技術獲得の成功・失敗要因について技術経営(MOT)研究はこれまで一定の知見を積み重ねてきた。本稿ではそのうち代表的な要因をその検証方法も含めて整理し、どのようなロジック(因果関係)に注意しなければならないかを整理した。代表的な要因としては、M&A、技術提携相手との技術知識の重なり合い、および、相互に持つ技術の補完性がこれまでの研究で指摘されている。また、自組織に相手方の技術知識に関連する知識がなければ有益な技術獲得が難であることもわかっている。これらを踏まえて、知的財産部門が寄与できる2つの役割があることを議論した。具体的には、M&A、技術提携の事前にできることとして、技術情報を用いた相手方探索や評価指標の事前設定、事後に出来ることとして、研究開発の生産性に影響を与える事象発生のモニタリングと、将来の効率的なM&A、技術提携実現のためのロジックの構築が考えられる。 |
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