「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 9号 / 1417頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 473) |
論文名 | (No. 473) プロダクト・バイ・プロセス・クレームと明確性要件 |
著者 | 藤井康輔 |
抄録 | プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(以下、「PBPクレーム」という。)に関する平成27年6月5日の最高裁判決を受け、PBPクレームについての特許庁における明確性要件の審査運用も数次改定されており、最高裁判決がなされた当初の実務対応等における混乱は一見落ち着きを取り戻しつつあるように思われる。ただし、依然としてPBPクレームの取り扱いについて、この程度の記載であれば明確性要件を満たすとの相当程度の確度をもつほど予見可能性が高まっているわけではない。 本判決は、最高裁判決以降になされたPBPクレームの明確性要件の判断を示した事案である。特許請求の範囲の記載に形式的には方法的記載があるといい得るとしても、当該方法的記載による物の構造又は特性等が明細書の記載等から判断すれば明らかであるとして、方法的記載には当たらないと判断している。本稿では、同様にPBPクレームの記載が必ずしも明確性要件違反につながらないとした他の2件についても判決を取り上げ、実務上の対応への示唆を考察する。 |