「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 9号 / 1334頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 欧州特許庁拡大審判部G1/15の紹介─毒入分割出願問題の解決に向けて─ |
著者 | 佐伯奈美/ルドルフ ワインベルガー |
抄録 | 本稿では2017年2月に全文が公開された拡大審判部の決定G1/15を紹介する。本決定は分割出願に基づく特許に対し、親出願の実施例に基づく新規性欠如を理由とした異議申し立て案件が発端となり、審決の相違が顕著となっていた部分優先権の妥当性の評価方法が検討された。今後は本決定に示された部分優先権の評価方法の適用が見込まれる。また、これまで話題となっていた欧州特許制度における「毒入分割出願poisonous divisional application」の問題に対しても出願人にとって好ましい判断を与える内容となった。本稿では毒入分割出願の説明からはじめ、本件異議、審判、拡大審判各手続きの経緯、内容を順番に解説する。 |