「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 6号 / 898頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 26) |
論文名 | (No. 26) [中国]中国における損害賠償額算定の最新動向 |
著者 | 経志強 |
抄録 | 昨年6月に中国の商標権者が米国のNew Balance Athletic Shoe Inc.社の中国関連会社とその販売会社を相手取って起こした商標権侵害訴訟において、二審裁判所が一審の判決金額の5%しか認めなかったことと、昨年12月の握奇社事件判決において北京知識産権法院が中国国内企業間の特許権侵害訴訟において損害賠償額と弁護士費用に関して先駆的な判決を下したことは、中国知財業界において損害賠償額の算定をめぐる議論を引き起こした。さらに、2016年11月4日に発表された国務院の「財産権保護制度を完備し、法に基づいて財産権を保護する意見」には、「知的財産権侵害行為への懲罰を強化し、知的財産権侵害に対する法定賠償額の条件を引き上げることが宣言されており、中国における損害賠償額の算定の実務はいま大きな転換点を迎えている。本稿は、上記の2つの判決を通じて中国における損害賠償額算定制度の歴史的経緯とその最新動向を紹介しようとするものである。 |
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