「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 5号 / 702頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 多能性幹細胞の分化に関する特許の特徴と課題 |
著者 | 竹田英樹 |
抄録 | ES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞の分化細胞を用いた再生医療や細胞治療への臨床試験が増加しており、実用化に向けて様々な研究開発がなされている。 治療に用いる細胞は、均質なものではなく様々な状態(細胞の表現型や分化レベル等を含めて)の集合体である。多能性幹細胞を分化して得られる細胞は不均質であり、生体内の組織に存在する細胞も均質に見えるような組織であっても不均質である。細胞特許は、これら不均質な細胞集団をクレームすることになる。 また、細胞の分化や精製方法に関する特許は、その態様は様々であるが、細胞特許と同様その細胞の不均質性が特徴であり、それが特許性やクレーム解釈の判断を難しくしている。そこで、これらの細胞に関する特許について日本中心に考察した。 考察の結果は、必ずしも実際の審査では分化細胞の不均質性を考慮していない場合がほとんどであるように思われ、将来の権利範囲やその特許の有効性で争われる可能性が高いと考えられる。 |
本文PDF |