「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 3号 / 365頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 468) |
論文名 | (No.468) 技術的思想の創作が自然法則を利用したと判断される分岐点 |
著者 | 西井志織 |
抄録 | 平成20年頃の数件の知財高裁判決は、自然法則利用性(特許法2条1項)に関して新しい判断基準を示し、議論を喚起することとなった。図表のレイアウトが問題となった本件は、人の精神活動と自然法則利用性の判断の具体例を付け加えるものであり、一般論・当てはめ共に、その後の知財高裁の立場を推し量る一素材となるものである。本判決は、請求項に記載された構成要件のみならず明細書を参酌し、発明の課題・構成・効果から導かれる「発明の技術的意義」に照らして全体として自然法則利用性を判断すべきとした点に、特徴がある。また、反復類型性に着目して自然法則利用性を肯定した先行判決との関係のほか、その当てはめに関して「技術的思想」性や物(機器)との関係が注目され、権利付与の入り口要件である発明該当性の更なる考察を迫るものである。 |
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