「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 3号 / 319頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 欧州における中間対応実務の解説─EQEの事例問題を通して─ |
著者 | 都祭正則 |
抄録 | 実務的な知識や対処能力が問われる欧州弁理士試験(EQE;European Qualifying Examination) の事例問題を検討することは、欧州特有の補正や進歩性等の要件を正しく理解するために効果的と考えられる。そこで本稿では、EQEの事例問題の検討を通して、欧州特許の取得上の論点の解説と実務上の指針の抽出を試みる。欧州の審査においては厳格な補正の適法性の判断や機械的・定型的な進歩性判断がなされているものの、これは裏を返せば出願人にとって予測可能性の高いシステムであると言うこともできる。したがって、本稿において紹介するEQEの事例問題を題材として欧州における審査に特有の論点を検討することは、補正の適法性の基準や特許性の基準の相違に起因した拒絶のリスクや不用意な限定のリスクを低減することに繋がり、また、より適切な指示を欧州代理人に対して行うことができれば、欧州代理人による手続き費用の削減も期待できよう。 |
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