「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 3号 / 293頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | いわゆる残留情報条項(Residuals Clause)についての考察 |
著者 | 南部朋子 |
抄録 | 秘密保持契約において、いわゆる残留情報条項(Residuals Clause)が規定される場合がある。残留情報条項は、一般に、秘密情報を受領した当事者(受領当事者)の従業員等の記憶に保持された秘密情報を、受領当事者が使用することを認めるものである。このような条項が規定されるのは、受領当事者の円滑な事業継続を可能にしたり、訴訟対応の負担を軽減したりするためと考えられている。ただ、受領当事者にとってはメリットのある残留情報条項でも、秘密情報の開示当事者にとっては、その秘密情報の保護が受けられなくなる効果を生ずる可能性があり、大きなリスクを伴うものである。本稿では、実際に使用されている残留情報条項の規定を分析し、残留情報条項の規定を受け入れざるを得ない開示当事者がこのリスクをできる限り低いものとするための注意点を指摘する。 |
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