「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 11号 / 1735頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 475) |
論文名 | (No. 475) 測定方法に基づく構成要件充足性の判断─ティシュペーパー事件─ |
著者 | 内堀保治 |
抄録 | 本稿は特許請求の範囲に規定された静摩擦係数に係る数値範囲の属否に関して、その測定方法の当否が争われた知財高判平成27年(ネ)第10016号事件判決を検討するものである。本件判決では、複数考えられる測定方法のすべてにおいて数値範囲に入らなければ構成要件を充足することにはならないという規範が採用され、控訴人の請求が棄却された。しかし、同様の規範が採用されたマルチトール含蜜結晶事件判決と比較すると、特許権者にとって厳しい規範が採用されており、測定方法の分析的な評価だけでなく、当業者にとって妥当な測定方法は何かという総合的な評価も必要ではなかったかと思われる。なお、本稿では数値限定発明を検討する際に実務者が留意すべき点についても検討する。 |
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