「知財管理」誌

Vol.66 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 66巻(2016年) / 9号 / 1119頁
論文区分 論説
論文名 特許の進歩性判断における阻害要因主張の留意点─2種類の阻害要因─
著者 特許第2 委員会第3 小委員会
抄録  特許の進歩性判断における阻害要因について、審査基準では、「副引用発明を主引用発明に適用することを阻害する事情があることは、論理付けを妨げる要因(阻害要因)として、進歩性が肯定される方向に働く要素となる。」とされ、4類型に分けて具体例と共に説明されている。そして、「刊行物等の中に、請求項に係る発明を容易に想到することを妨げるほどの記載があれば、そのような刊行物等に記載された発明は、引用発明としての適格性を欠く。」とし、引用発明としての適格性欠如による阻害要因が説明されている。近年の裁判例を確認したところ、阻害要因ありと判断された裁判例の半数以上は、審査基準で具体例を用いずに示された「請求項に係る発明に容易に想到することを妨げるほどの記載」に基づく阻害要因であった。これを踏まえ、本稿では、適切な阻害要因主張について提言する。
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