「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 9号 / 1083頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | インドにおける医薬品知財関連訴訟の分析 |
著者 | 三森八重子 |
抄録 | 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)発効を機に、2005年に自国の特許法を改正し、「TRIPS準拠」の特許法とし、物質特許を導入したインドであるが、多くの国で特許が認められているNovartis社の白血病・腫瘍治療薬が特殊な条項を基に特許が拒絶されたり、またBayer社の抗がん剤に対しインドの内資企業の強制実施権が認められるなどの訴訟問題が続いた。そのため、先進諸国は知的財産権保護がインドでは必ずしも担保されていないとの印象を持っている。しかしながら、インド側の弁護士は外資系製薬企業に不利な判決が必ずしも多いわけではないと指摘する。そこで、本研究では、文献の分析や現地でのヒアリングを基にインドの知財侵害訴訟の現状の分析を試みた。インドではすべての訴訟のデータが公表されているわけではなく、特許保有者に有利な判決が増加しているのか否かは不明であるが、近年、知的財産権関連の訴訟を多く扱うデリー高裁で、特許保有者に有利な判決が少なくとも複数下されたことが報告されている。 |
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