「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 11号 / 1505頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 19) |
論文名 | (No.19) [米国]特許製品の条件付き譲渡/国外譲渡と特許権の消尽(日本との比較) |
著者 | 高石秀樹 |
抄録 | 特許権者がsingle - use/no resale条件付きで譲渡したカートリッジを、使用後に入手したリサイクル業者がインクを再充填して再販売する行為に対する米国特許権の行使は、消尽論により妨げられないと判断された。(1)特許製品の譲渡等にどのような条件を付すと米国特許権の消尽を回避できるかについて、連邦最高裁Quanta判決1)の理解が分かれていた状況下で、CAFCは、Mallinckrodt判決2)以降一貫して採ってきた、特許製品の譲渡に条件が付されていた場合には特許権は消尽しないという立場を維持し、Quanta判決とも整合するとした。また、(2)CAFCがJazz Photo判決3)で確立したとおり、特許製品が米国外で譲渡されても米国特許権は消尽しないという立場を維持した。本稿は、これらの論点について日本実務と比較しつつ検討する。さらに関連する重要論点として、(3)特許権が消尽した場合における物の新たな製造と特許権行使の可否、(4)方法発明に係る特許権の消尽、(5)間接侵害品の譲渡と特許権の消尽についても、それぞれ簡潔に説明する。 |