「知財管理」誌
Vol.66 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 11号 / 1412頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 日米特許庁における進歩性判断の比較研究─日米における動機づけに係る審査基準の差異の検討─ |
著者 | 特許第1 委員会第3 小委員会 |
抄録 | 本稿は、本願発明と主引用発明との相違点に関し、進歩性が否定される方向に働く要素である動機づけについての日米二極特許庁間の比較検討をするものである。 2006年の日本における紙葉類識別装置事件、2007年の米国におけるKSRガイドライン制定を経て、動機づけに関する考え方は日米で大きく変化した。このような状況を踏まえ、主として米国の審査基準を詳細に検討することで、日米の動機づけの審査基準の差異について検討を試みた。その結果、現在の日本の動機づけに相当する基準は、米国においてTSMテストに相当するKSRガイドラインの7類型の(G)以外になく、さらにこの類型(G)が一事例に過ぎないため、米国の審査基準では副引用発明適用に係る規制が日本と比較し弱くなっていることが明確になった。本稿では前記の審査基準上の差異の詳細検討に加え、差異を反映した審査事例と米国の審査基準を踏まえた出願人の好ましい 対応方法についても言及する。 |