「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 8号 / 1119頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 5) |
論文名 | (No. 5)[米国]地裁のクレーム解釈を控訴審でレヴューする際の二重基準 |
著者 | 服部健一 |
抄録 | 最高裁はMarkman判決1)で、クレーム解釈は法律問題の為、陪審員でなく判事の専権事項で、控訴審は全面的見直しでレヴューしなければならないとしていたが、クレーム解釈の中に事実認定があった場合、連邦民事訴訟規則は「判事の事実認定は明白な誤りがない限り破棄できない」と明記しているので、いずれの基準を適用すべきか明らかでなかった。最高裁は本Teva判決で、クレーム解釈の中の事実認定は明白な誤り、クレーム全体の究極的レヴューは全面的見直しで行うべきであると差し戻したので、地裁のクレーム解釈は事実認定があるとそれだけ破棄され難くなった。その為、訴訟当事者には、今後一層専門家証人に依存して行く懸念が生じたが、CAFCは本件の差し戻し審で、地裁の事実認定に明白な誤りはないと容認しつつも、クレーム全体を全面的に見直して、最高裁のNautilus判決2)の「リーズナブルな明確性」の点から特許はやはり無効であると判決し、その懸念を多少払拭させた。 |
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