「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 5号 / 598頁 |
| 論文区分 | 論説 |
| 論文名 | 地図の著作権の帰属が争われた事例 |
| 著者 | 中所昌司 |
| 抄録 | 本件は、地図の著作権の帰属等が争われた事例である。一般に、著作物の作成に複数の者が関わった場合に、その権利帰属が問題となることがある。本件では、2つの地図の著作物について争われ、その1つ（本件江戸図）については原告の著作権が否定され、もう1つ（本件明治図）については原告の著作権が肯定された。 本稿では、本件判決の内容を紹介するとともに、地図の著作物性や複製・翻案の成否に関する他の判例や、民法709条の不法行為の要件などについても解説する。 現在、カーナビやスマートフォン向けなどのデジタル地図の分野が発展している。これらの分野でも、従来の紙の地図に関する判例や、本件判決などを参考にして、契約等により自らの著作権法上の保護を確保しつつ、他者の権利を侵害しないように、注意していく必要があると考える。 |
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