「知財管理」誌

Vol.65 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 65巻(2015年) / 3号 / 348頁
論文区分 論説
論文名 特許権侵害物品(特に化学品)の水際差止の問題点について
著者 飯田 圭/佐竹勝一
抄録  商標権や著作権を侵害する物品の税関での水際差止については多くの文献が説明しているところであるが、特許権を侵害する物品、特に医薬品原薬やポリマーなどの化学品についての水際差止を正面から取り上げた文献はほとんど存在しない。また、実際に特許権を侵害する化学品の輸入が税関において水際で差し止められたケースも少なく、その意味で、企業にとって特許権に基づく化学品の水際差止の実態は明らかでなく、その結果、企業による特許権に基づく化学品の差止申立てもあまり積極的に行われていないものと思われる。
 そこで、本稿では、主に、特許権を侵害する物品、特に化学品の輸入差止を行うに際して直面する問題や課題を明らかにしたうえで、現行の税関での水際差止の制度内で差止の実効性を挙げるためにはいかなる点に注意すべきか、特許権者としてどのような準備を行うことが求められるかといった点について説明を行った。特許権に基づく化学品の水際差止を検討されている企業の参考になれば幸いである。
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