「知財管理」誌
Vol.65 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 65巻(2015年) / 12号 / 1633頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | インヘレンシーについて判断した米国控訴裁判所の判決を読む |
著者 | 宮前尚祐 |
抄録 | 米国では、内在同一による新規性の欠如について、ドクトリン・オブ・インヘレンシー(インヘレンシーの法理)という独特の法理に基づいて審理する。その審理手法は日本人にとって難解に感じられる。そこで、本稿では、インヘレンシー(内在同一)が争点となった米国控訴裁判所の判決を過去から現在にわたって通覧し、筆者なりの視点でその法理の整理を試みる。具体的には、「特性ルール」「必然性ルール」「認識ルール」の3つに分けて整理する。なかでも「認識ルール」については、その判断に裁判官の間で隔たりがあることが分かった。それにより新規性判断の結論が不安定になっていることを指摘したい。また、上記の整理に基づき、インヘレンシーの法理と用途発明および機能クレームとの関係についてそれぞれ検討する。特に実務上の留意点に着目して判決を分析する。さらに、インヘレンシーが争点となる事案における立証責任のあり方を確認し、実務上の留意点について触れる。 |
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