「知財管理」誌
Vol.61 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 61巻(2011年) / 3号 / 331頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.392) |
論文名 | No.392 物の発明の「使用」による損害額の算定 |
著者 | 窪田 英一郎 |
抄録 | 本件各判決は、物の発明について物の「使用」による損害を認めた点に特徴を有する。本 件各判決は、その損害を算定するにあたって被告装置を使用したことによって被告が得た売上高を基 準として特許法102条3項の「実施料相当額」を算定しているが、それは、原被告が競合関係にあっ たという本件の特殊性によるところも大きいと考えられる。特許権者が特許権の行使による損害賠償 額を最大化させようとすれば、より下流の「実施者」に対して権利を行使することが考えられ、今後 このような物の発明についての物の「使用」による損害賠償請求も増えてくる可能性があるように思 われる。裁判所には、このような請求に対しては、事案あるいは権利者の属性に応じて適切な損害賠 償額を認定することが望まれる。 |