「知財管理」誌
Vol.61 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 61巻(2011年) / 11号 / 1727頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | 税関の職権による知的財産侵害に対する水際取締り |
著者 | 中澤 直樹 |
抄録 | わが国の税関による知的財産侵害に対する取締りに関しては、平成6年の関税定率法の改正以降の関税関連法令の一連の改正により、権利者及び輸入者等の関与の度合いが強い手続となった一方で、平成6年改正前より行われてきた税関独自の職権による取締り手続が依然として存続している。職権取締りの第一の形態は、純然たる行政手続である職権による認定手続であり、第二の形態は関税法違反行為に対する罰則適用のための犯則調査である。前者の職権による認定手続は、税関の判断能力等に加え、適用できる制度・手続に制約があり、事実上、申立てによる認定手続を補完する手続となっている。後者の犯則調査は、最終目的が刑事処分であるため、調査権限や調査対象に種々の制約がある。これらの職権取締りは、税関の運用の中で決して大きな割合を占めるものとはなっていないが、権利者が把握できない侵害行為を有効に防げる面があるため、産業界や司法関係者を含めた知財関係諸団体らの協力によって、より良い運用をしていくのが望ましい。 |
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