「知財管理」誌
Vol.61 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 61巻(2011年) / 11号 / 1625頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国における法意識−中国との相互理解のために− |
著者 | 長沢 幸男、古谷 真帆 |
抄録 | 中国における「法治」の思想は、中国の法思想史に由来する中国独自の法理念である。改革開放政策により、西欧的な「法治」が導入されても、伝統的な法意識が直ちに変化するものではなく、制度と意識のずれが生じている。他方で、中国は、今や法治国家である。中国が法治国家であることを軽視し、違法行為がまかり通るかのような錯覚を持つことは、時代錯誤である。そのような感覚で中国ビジネスを展開する企業に対しては、中国の法制度の下で厳しい制裁が科されるであろう。外国企業も、中国人・中国企業と一致協力して、反社会的勢力の一掃に向けて努力することこそ、中国社会で信頼を得るために必要不可欠である。特に、日本経済は、中国の存在がなければ成り立たない現状にあり、中国の将来なくして、日本経済の将来もあり得ない。中国の現状を徒に非難するのではなく、我々日本人が中国のために何をすべきか、それを考え実践することこそ、今、日本人に求められているのである。 |
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