「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 4号 / 383頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 言語学的観点から見た商標の類似性 |
著者 | 町田健 |
抄録 | 商標は、言語記号の一種であって、音素(または文字)の列と、その意味としての製品が結合した単位である。2つの商標に関する類似性の言語学的観点からの判断は、音素列と意味の双方を総合的に勘案して下されなければならない。音素列に明確な区別が存在すると判定される条件としては、調音的・聴覚的に特徴を共有しない音素が使用されていること、語中や語末で弱化することにより、類似した特徴をもつ可能性のある音素や音節が含まれないことなどがあげられる。意味の面では、複数の要素から成る商標について、比較される商標とは異なる要素が、商標の指示する製品に対応する普通名詞であったり、意味のない接辞である場合には、当該の2つの商標の間には明確な区別を認定することはできない。一方、比較される商標とは異なる要素が、固有名詞であるか、意味をもつ接辞である場合には、2つの商標の間に明確な区別があると判断される。 |
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