「知財管理」誌

Vol.59 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 59巻(2009年) / 3号 / 263頁
論文区分 特集(標準化活動の動向と知財戦略)
論文名 電気通信業界における標準化と知的財産戦略
著者 山田肇
抄録 電気通信業は1980年代に競争導入という大きな変革を経験した。その後、標準に知的財産が関連するようになり、各社はビジネス戦略の道具として標準化活動を扱うようになった。
通信インフラの更改速度は遅い。インフラを更改しないまま通信可能な情報量を大きくする技術に業界の関心は集中し、それに関わる標準に関連特許の申し出が殺到する傾向がある。この分野ではパテントプールが形成された例もあり、膨大なロイヤルティ収入が権利者にもたらされている。
標準の普及の価値を説明するために、本論文では二つのケースを取り上げた。光加入者システムは日本が普及に失敗した事例である。一方、移動通信では符号分割多重接続(CDMA)が広く世界に普及し、開発企業は携帯電話の中央研究所のような地位を占めるに至っている。標準は普及して初めて価値が出る、ということを意識して標準化・知的財産・ビジネス戦略を立てるべきだ、というのが本論文の主張である。
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