「知財管理」誌

Vol.58 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 58巻(2008年) / 1号 / 41頁
論文区分 論説
論文名 産活法による新たな包括型登録制度とライセンス取引をめぐる問題点について
著者 松田俊治
抄録 平成19年度の産業活力再生特別措置法の改正によって、特許権等の通常実施権について、新たな登録制度が導入された。この新制度は、実務的に、包括的ライセンス及び包括的クロスライセンスと呼ばれる一定の契約類型を視野に入れて定義された「特定通常実施権許諾契約」という契約類型を対象に、特許法及び実用新案法上の既存の登録制度の特例を設けるものである。しかしながら、その改正までの経緯に鑑みると、知的財産法に基づく実施権制度とライセンス契約による契約当事者の規律という、ライセンス取引を巡る法律関係の二重性の問題という、極めて本質的な問題に一歩踏み込み、今後の実務及び学問的研究に大きな影響を与えうる法改正としても評価がなされるべきである。本稿では、こうした視点に基づいて、新しい登録制度の概要について紹介すると同時に、実務的な観点から今後予想される動き及び残された課題について簡単な整理を試みることとしたい。
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