「知財管理」誌
Vol.57 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 57巻(2007年) / 5号 / 687頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ライセンサーの倒産に係わる実務的な諸問題と対応策―対策と事前の予防策― |
著者 | 宮下佳之 |
抄録 | ライセンス契約に基づいて許諾を受けた使用収益権が未登録である限り、ライセンサーが倒産すれば、ライセンシーは、許諾を受けた使用収益権を喪失するおそれがある。ライセンシーの立場を擁護するためには、使用収益権を登録することが望ましいことは明らかであるが、実務的には登録が経済合理性等の観点から困難な場合もあるし、制度的に使用収益権の登録制度が整備されていない場合もある。そのため、ライセンサーが倒産した場合には、状況に応じて、的確な対策を速やかに実行することによって、損害の拡大を防止する必要があるし、このような事態も想定して事前に周到な予防策を講ずることも望まれるが、対策や予防策は、「倒産」の態様や、「知的財産権」の種類や内容等に応じて、様々であり、状況に応じたきめ細やかな分析と対応策の検討が不可欠である。本稿は、そうした観点から、具体例を挙げながら、個別の状況に応じた実務的な諸問題と対応策について論述する。 |