「知財管理」誌

Vol.57 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 57巻(2007年) / 3号 / 409頁
論文区分 論説
論文名 経営に資する知的財産評価指標の見える化
著者 知的財産マネジメント第2委員会第1小委員会
抄録 企業の中で石を投げれば「見えない」という言葉に当たる。経営者は現場が見えないと嘆き、現場は日々のトラブルや顧客の思いが見えないと苦闘する。企業活動は見えないものに対する継続的な取組であるため、問題解決のためにはまず問題が「見える」ようにしなければならないが、そのためには人や組織の「見せる」という意思、行動が必要となる。
おりしも日本経済では、ものづくり経済から知識経済へのパラダイムシフトが始まっており、企業価値の源泉として知的財産の重要性を見極めることが課題となっている。知財部門は経営者から投げかけられた「経営に対する貢献度が見えない。」という指摘を問題として感知し、知恵を出し合って、知的財産および知財活動の成果を「見える」ようにする(=「見える化」)必要がある。
本論説では、知的財産の見える化に対する仕掛けとして、「知財経営指標」を提示した。まず見える化に対する世の中の動向や先進的な企業の取組を紹介した後、知財経営指標を整理する上でのポイントを明らかにし、当小委員会としての試案を示した。さらにケーススタディによる知財経営指標の試算を行い、読者の理解を助けるとともに今後の課題を抽出し、最後に知財部門が行うべき見える化を以下の提言としてまとめた。
(1)目的に応じて指標を選択し、各企業の状況に合った見える化を進めること。
(2)見える化を通して知的財産と事業の結びつきを強め、経営に対する貢献度を高めること。
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