「知財管理」誌
Vol.57 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 57巻(2007年) / 3号 / 395頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ブランドと商標―商標価値のブランド価値への貢献― |
著者 | 鶴本祥文 |
抄録 | 企業経営においてブランドの重要性、ブランド価値の向上が叫ばれて久しく、ブランド価値を向上させるための様々な取り組みが企業においてなされている。真にブランド価値の向上を目指すためには、かかる取り組みがブランド価値に及ぼす影響を認識することが必要不可欠である。一方、近年、ブランドに寄せる期待に呼応するかの如く、ブランドはその役割、概念を少しずつ変遷させてきている。したがって、かかる変遷も考慮し、上記取り組みがブランド価値に及ぼす影響への認識をより一層高めなければならない。 一方、従来ブランドと同じ意味であった商標は、近年のブランド概念の変遷も手伝い、その伝統的な概念、役割はブランドの全てを表すものではなくなってきている。しかし、このような状況においても、商標はブランドの中核として存在する。そのため、企業経営において、真にブランド価値の向上を目指すためには、その中核となる商標の価値が当該ブランド価値に与える影響をも考慮する必要がある。本稿では、ブランドと商標の概念・価値等の認識を踏まえ、ブランドの中核である商標がブランド価値向上、企業経営に如何に貢献しうるのかについて考察する。 |