「知財管理」誌
Vol.57 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 57巻(2007年) / 10号 / 1645頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.344) |
論文名 | No.344 実施可能要件における「過度」の基準 |
著者 | 細田芳徳 |
抄録 | 本件は、数値限定発明に係る特許権に基づく特許権侵害差止等請求事件において、実施可能要件を満たしていないと認定され、特許権に基づく権利行使をすることはできないと判断され、一方、特許庁における特許無効審判においても実施可能要件が否定され、さらに知財高裁も審決を支持した事件である。 本件では、貯蔵弾性率G′とずり応力τについて、その調整に多くの要素が関与する中で、所定の数値範囲内に調整するのに過度の実験が必要となるか否かが争点となった。大阪地裁、特許庁、知財高裁の各判断は、多少切り口が異なるものの、いずれも過度の試行錯誤を要すると認定されている。 本稿では、実施可能要件の判断における、当業者からみた「過度」の基準などについて、考察した。 |
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