「知財管理」誌

Vol.54 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 54巻(2004年) / 9号 / 1345頁
論文区分 判例と実務シリーズ
論文名 No.308 均等論における本質的部分及び意識的除外
著者 大野聖二
抄録 椅子式マッサージ機に関して、均等論の適用が争われ、均等に基づく侵害が認められた事案である。均等論の適用にあたっては、第一要件に関しては、公知技術との対比において、本件特許発明の特徴部分を確定した上で、その適用を行っている。第五要件に関しては、被告が争わなかったために、本件判決自体は、殆ど検討を加えていない。しかし、本件は、置換容易性の判断において、置換財の物性を問題にしており、出願時点において、既に置換した構成が公知であったと見うる余地がある。そうであれば、本件は、出願時点の同効材により置換した事案であると解することが出来る。そうすると、均等の適用が問題となった要件が、出願時点の要件であり、補正された要件ではないとしても、第五要件の適用を問題とする余地がある。第五要件に関して、正面から争われれば、本件判決とは、異なる判断となる余地があったのではないかと思われる。
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