「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 6号 / 923頁 |
論文区分 | 特集(職務発明の相次ぐ巨額対価判決を踏まえて) |
論文名 | 特許法35条:日本の創造的技術の競争力に対する新たな障害 |
著者 | ピーター・シェクター、山崎友宏(訳) |
抄録 | 筆者は、米国ではあり得ない巨額の発明対価請求の訴訟事件を興味深く追跡してきた。日本の大手新聞や中村教授のコメントも精査し、米国の視点から、真実に反するコメントが流布された事実を指摘した。日本の専門家、識者の的を射た見解も検討、引用した。特許法35条の改正案は、一時しのぎの不完全なもので、問題点を指摘し、問題解決への提言も試みた。特に、日本の特許法は会社側と従業者間の契約、勤務規則は法的に有効であると認め、日本の裁判所によって尊重されるべきと考える。米企業では、有能な研究者、技術者がより良い待遇と報酬を求めてどう対応しているのかその具体像も描いた。米国では、高額報奨金を手にするのは、リスクに挑戦する起業家であって、会社に勤める従業者ではない。結論を言えば、特許法35条は、日本の今後の技術競争力強化にブレーキをかける新たな障害物と考える。 | 本文PDF |