「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 4号 / 619頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 商標機能の現代的考察―商標による情報伝達経路の構築― |
著者 | 堤信夫 |
抄録 | 商標とは、出所を表示し、かつ品質を保証するための機能を備えた自他商品を識別するための標識として、自社製品に付されることが常識であった。しかし、多くの企業が、独自の商標を自ら「ブランド」と呼び、企業価値を上げ維持できる最も貴重で永続的な無体財産権とみなすに至った今日では、商標に対する価値・認識も変わってきた。そこで、本稿は、商標からブランドという概念で捉えられている現状を明らかにし、このブランドに期待された企業のマーケティング戦略と、それに並行して消費者に対して負うべき企業の社会的責任を商標の公告機能を中心に展開して考察することにより、商標によって構築される情報伝達経路を見出し、これまでの商標の機能説(出所表示機能、品質保証機能、広告機能)だけでは説明できない新しい商標の現代的機能として、出所責任機能及びコミュニケーション機能を提言し、その保護について考察する。 | 本文PDF |