「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 3号 / 347頁 |
論文区分 | 特集(企業経営に資する知的財産管理) |
論文名 | 〈PART1 創造への知的財産管理〉今後の研究開発と知的財産管理のあり方:三つの論点 |
著者 | 長岡貞男 |
抄録 | 近年、日本企業の研究開発の効率性・収益性の低下の問題に対処するために知的財産権の活用が注目されている。本稿では、研究開発志向の企業が直面している重要な課題に着目して、今後の研究開発と知的財産管理のあり方を検討する。第一に、本稿の分析結果によれば、研究開発のスピードが速い企業は、質の高い特許を獲得している。研究開発競争の高まりに対応して、特許権のプライオリティー・ルールに適合した研究開発が重要となっている。第二に、本稿の分析によれば、発明のサイエンス・リンケージが高い企業の特許の質は高い。科学研究成果を効果的に研究開発に反映する能力の構築も重要となっており、その一貫として用途に誘発された基礎研究が重要となる場合もあろう。第三に、企業の知的財産管理は、生産・販売能力などの補完的資産における競争優位の強さ及び研究開発戦略(目標とする技術と市場)の変化に効果的に対応していく必要があろう。 | 本文PDF |