「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 2号 / 195頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 意匠権侵害の成立と意匠の視認性の要否―部品の意匠権の効力の限界― |
著者 | 山口健司 |
抄録 | 意匠権侵害が成立するためには、原告が侵害と主張する被告の行為において、登録意匠に係る物品の形態(「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」の意で用いる。以下同じ。)を被告製品の外部から視認できることが必要である(意匠の視認性の要件)。この要件は、意匠の保護法益、意匠の定義等から必然的に導かれる。意匠の視認性の要件が実際に問題となるのは、「部品」の意匠権で「完成品」の製造・販売行為等を意匠権侵害に問責する場面であるが、同場面で意匠の視認性の要件が充たされ、意匠権侵害が成立することは多くない。この点が、「部品」の意匠権の効力と、「部品」の特許権・実用新案権の効力とで最も異なる点といえる。このような「部品」の意匠権の効力の限界を認識することが、実務的に重要である。 | 本文PDF |